微分の文化について記事を書きます。
No.4 働きやすさと働きにくさ
久しぶりの投稿になります。吉田慎太郎です。 真夜中に執筆しています。 同年代の友人と話していて、社内の不平不満を聞くようになり、 働きづらさ・働きやすさについて考えたことを今日は書きたいと思います。 僕たちの方針としては、あらかじめ働きやすい環境(絶対的なもの)を作っておき、不満が出た際にはすぐに修正し働きやすい環境に改善するという方針をとっています。 働きづらさ・働きやすのFactorで, 自分たちで変えやすいもの(変数)と変えずらいもの(変数)に分けて考えようと思います。 僕自身が会社を作って、考えた変数は以下の通りです 毎月翌月10日に給与を支払う <-> お金の支払いが遅い・遅刻する (お金は最も重要な要素なので信頼構築を気付けるだけでなく、お金が早くり込まれることへの安心が増える) 世界で最高のソフトウェアを売り上げの10%の範囲内で買う (メンバーが本質的な作業に集中できるように、最高のソフトウェアで使っているソフトウェアのUXもお借りして、従業員Experienceを高める) まずは、日々触れるものから例えばメール・CalendarはOutlookではなくOffice(Superhumanも検討中), WindowsではなくMacを支給, タスク管理はAsana, エンジニアだとPostman, Github, Codecovを契約しています。 詳しくは、こちらの記事から。 1on1 MTGの開催頻度を最低1ヶ月に設定し、こまめに不平不満を解消する. 例えば、最近噴出した不満ですと、 デイリースクラムの時間がいつも30-40分になってしまうので、疑問・議論が出た際には別のMTGを設定する。話すべきこと, 話すべきでないことを明確化しました。 他にも、MTGの時間がおおく(それでも1日2Hですが)、開発に集中できないという意見にはAsanaの毎週水曜日はNo Meeting Dayを実験的に採用し、現在運用中です。 経営の意思決定の根拠となる数字をできる限り提供する できる限り、なぜと思う機会を増やせるように、月ごとの売り上げ(勘定科目ごとは公開していません)や支出, 経営目標といった数字を公開しています。 社内勉強会で、オンラインのWorking Styleで不足しているメンバー間の雑談を補う 現在、社内ではTypeScript勉強会, AWS勉強会, Go勉強会が毎週1回1Hのペースで走っており、エンジニア間の雑談をしつつ、ワイワイOreilly LearningによるEbookを皆で読んでおり、働きやすさに繋がっていると考えています! 一方で、現在考えている(これから変数にしたい)定数は以下の通りです。 絶対的な給与体系 メンバー内の相対的な評価で、給与を決定しており、給与テーブルについてはまだ公開できていないので、透明性が低く、皆を納得できるものはまだ作れていないです。 タスクの出し方, アウトプットの評価方法 現在コードレビューが自分に貯まることが多く、メンバーの信頼や働きづらさに繋がっていると思うので、レビューの方法を改善することが必要ですが、まだまだ発展途上です。またアウトプットが少なかった際にチームでカバーをし合えるいち早く作りたいです。 会社の財政や資金繰りに対する不安 小さな会社なので、財政が盤石でなく、皆を不安にさせていると思うので、税理士さんと資金繰り表の見通しの毎月更新とReviewを行い、売り上げの絶対値と変動資産の絶対値を増やすことで解決しようと思っています。 今回は定数のパートは省略し、次回以降のブログで書こうと思います。...
No.3 仁政ブログで書きたいこと
自己紹介 初めまして。株式会社 微分 CEOの吉田です。 最近読んだ本は、「イワン・イリッチの死」です。 仁政というブログの意図とこのブログで今後書くことについて今日は書きたいと思います。 仁政 仁政は儒学で思いやりのある政治という意味で用いられます。会社の経営と国の統治とは大きく異なりますが、リーダーシップや意思決定など一部類似するところもあります。 仁政は、僕が尊敬する米沢藩の藩主 上杉鷹山が実践した統治手法として有名です。詳しくは、内村鑑三さんの「代表的日本人」が簡潔でおすすめです。 鷹山の政治手腕は極めて優れているのですが、特に優れていると考えるのが、バランス感覚です。 特に、新規と伝統,権力と人情,組織と個人,対外と内政などのバランスを保つ力がありました。 (参考 「現代の指針 上杉鷹山 」http://okibun.jp/youzan/) これを個人で満たすことは難しく、外部の知見を取り入れ、議論を重ねることで、実現の可能性が出てきます。 このブログで書きたいこと この仁政のブログでは、会社で成果を発揮しやすい環境を作るために導入する制度やその際に議論したことを伝えていきたいと思います。 この会社に入ってみたいと思う人を増やしたい、また、色々な人に意見をいただき、チーム内の制度をさらに改善したいという思いで開始しました。 直近では、チームやカルチャーを作るために導入する制度や仕組みについてをメンバー全員で紹介していこうと考えています。 最後に 個人(代表)として、鷹山が取り組んだ原理を肝に銘じ、 会社経営に取り組みます。 文武の修練は定めに従い、怠りなく励むこと 民の父母となるを第一の勤めとすること 次の言葉を日夜忘れぬこと 贅沢なければ、危険なし 施して浪費するなかれ 言行の不一致、賞罰の不正、不実と無礼、を犯さぬようつとめること ...
No.2 微分的情報収集
今回のブログでは、株式会社微分で採用している情報分析の方法についてお話しさせていただきます。ネットで検索すれば大変多くの情報にアクセスできる便利な時代になりました。しかし、検索で出てくる情報には往々にして制約が課せられています。たとえば、GoogleやYahooでは、我々の過去の検索履歴から一定のアルゴリズムを通して予測変換機能が作動しています。その結果、検索して真っ先に入ってくる情報は、我々に良くも悪くもカスタマイズされた情報となります。こうした情報バイアスは、自分に合った情報にアクセスがしやすいという「便利さ」がある一方で、我々に入ってくる情報が「狭隘化」してしまうといった負の側面があります。これらを鑑みて、弊社微分では、社内で共通認識となる情報収集の道しるべを作りました。 ※下記の情報収集に関する一連の流れを厳格化して微分で採用しているわけではなく、あくまで一つの道標としての位置付けであるということを予め記しておきます。 まず、情報収集を行う上で先んじてやるべきことは、「全体設計」です。弊社では5つの段階からなる全体設計を考えました。 1 情報収集を行う目的を決定する。複数名で行う場合は、共通認識を統一させる。 企業分析を行うにせよ、製品分析、または事例分析を行うにせよ、まずは「情報収集を行う目的」を決定します。目的が定まらない状態で情報収集を始めると、基準となる軸や回収した後の具体的なアクションも曖昧模糊になってしまうため、目的の決定は情報収集を行う上で大変重要な要素です。ここで定める目的は、具体的であればあるほどイメージを持って情報収集に移ることができるようになります。また、情報収集を行う前に具体的な目的を明示しておくことで、情報収集は幾分とショートカットできます。必要な情報を適切に収集するためには、目的を予め定めておくことは重要なのです。 2 仮説を設定する 情報収集の目的を決定した後に行うべきことは、「仮設の設定」です。仮説とは、ある現象を合理的に説明するために前もって仮に立てた考え、換言すると、「目の前の問題状況に対する暫定的な説明」といえます。実際に情報収集を行う前に仮説を設定する理由としては、情報収集をもとにできる限り早くそれを基にしたアクションに移ることができるからです。情報収集は大変に重要な作業ですが、骨が折れることも多々あり、全ての情報を適切に回収してから次のアクションに移ろうとすると、大変な時間がかかってしまいます。そこで最小限の調査で仮説を立ててから調査に臨むことで、効率よく必要な情報を集め、仮設の検証・修正を繰り返しながら、論理的な結論を導くことにしています。回収する情報の量は重要な要素であるため等閑視できませんが、スピードは往々にしてそれ以上に重要な要素となります。弊社では、1秒で決断することを社内カルチャーとしています。メンバーがスムーズにアクションに移れるよう、仮設の設定は重要なのです。 3 情報収集に必要な項目を決定する 仮設の設定が終われば、仮設の根拠を分解して情報収集項目を検討します。理由は大別して2つあります。1つ目は、仮説を支える一つ一つの根拠となる情報の正確性と蓋然性の把握、2つ目は、その仮説の根拠の背景にある現象の把握であります。これらを行うための情報収集項目を検討するのです。1つ目の正確性や蓋然性の把握には、「推論」を理解しておくことが重要です。簡略してご説明します。 3−1 推論とは 推論とは、大別して、「演繹法:Deduction」と「帰納法:Induction」があります。演繹法とは、「一般的・普遍的な前提から、より個別的・特殊的な結論を得る論理的推論の方法」と言えます。他方で帰納法とは、「個別的・特殊的な事例から一般的・普遍的な規則・法則を見出そうとする論理的推論の方法」です。一例を挙げます。 演繹法:「関東圏に住む高校生の大学進学率が高い」(一般的な前提)と「東京一極化により関東圏への人口増加が顕著である」(事象)から、「国内の大学進学率は上昇している」という結論を引き出す。 帰納法:「過去10年間で大学の進学率は下がっていない」「過去10年間で大学の数が増えた」(事象)から、「教育費の高騰化の影響は限定的」という結論を導き出す。 4 情報収集手段に必要な収集手段を設定する 情報収集手段は、どのような情報を収集するかにより手法は当然異なります。またその種類も、「一次データと二次データ」として分けられることもありますし、「量的データと質的データ」として分けられることも、また、会社の経営企画部署では、「デスクリサーチ・ヒアリング・アンケート」といった形で分けられることがあります。弊社微分では、情報収集したい対象により「集合知か個知か、またはその両方が必要か、そしてその両方が必要であればどのような比重で情報収集を図るのか」を検討することにしています。例えば、「コロナの影響による観光産業への経済的インパクト」であれば、二次情報で情報収集が可能であり、一人一人にヒアリングするようでは、キリがありません。しかしながら、観光産業の中でも、「特定の領域の特定の群」となると、二次情報では最新の動向も、適当な影響は把握も当然だができない。その場合は、定性的な把握が必要となり、個知に係る情報を回収することになる。さらに、敷衍すれば、経済的インパクトを受け、精神的にダメージを受けている対象から情報を回収する場合、どのような定性的手法で情報を回収するかを使い分ける必要です。定性的な調査方法と単に言えど、さまざまな種類があり、その一つ一つに知悉していなければ、情報を回収する側も回収される側も、副次的な影響を受ける可能性が生ずる。弊社微分では、定期的に情報の収集手段についてこの文章を作成している現時点では実現こそしていないが、定期的に情報交換をする場を設けていきたいと考えています。 また、実際に情報を得る際には、留意しなければならない点があります。「情報の信頼性」「情報の偏り」「情報の最新性」は最低限、留意しなければなりません。誰でも無制約に情報を発信することができる時代において、情報の信頼性は常にセンシティブに感度を高く保ち続けなければならないことを示唆していますし、冒頭で述べさせていただいた通り、情報のアルゴリズム化による視野の狭隘化は情報の偏りに陥らせる大変危険な要素であり、意識して留意しなければならないことであります。情報源には多々の種類がありますため、一つ一つ詳細を述べることこそできませんが、情報源の特徴を纏めた図は、下記になります。 こちらの図で示した各情報源の特徴はあくまで筆者の私見に基づくものであります。このように情報源は多岐にわたりますので、適材適所に必要な情報源にアクセスをすることが肝心です。 5 適切な手法と成果物をきめる さて、必要な情報がある程度集まれば、それらを分析して成果物を作成していきます。ここで明記すべきは、成果物の大切さです。より具体的には、「成果物を作成してフィードバックを得る大切さ」と言い換えることができます。よくあることですが、上述1-4までの段階を終えたにもかかわらず、最後の成果物を作成・提出しないまま一連の作業を終えてしまう人が非常に多いです。成果物の完成度は確かに重要ではございますが、7-8割程度の出来栄えであったとしても成果物は必ず出すべきです。さらに言えば、たとえ7-8割程度のみしか完成していなかったとしても、未完成のまま提出することには大変な意義があります。大きな意義とは主に2が挙げられます。 未完成でも成果物を出す意義:一つ目は、成果物を出してフィードバックを得ることで、自分が辿ってきた道がスタート地点で定めた目的とズレていないかを確認するためです。完璧な成果だと自分では思っていても、それを判断するのは自分以外の人間です。ですので、成果物というのは大抵の場合、相手の価値観が判断基準となります。その乖離を認識するためにも、成果物は提出しなければなりませんし、理想的には、上述した5段階全てのフェーズでフィードバックを得たいところです。 未完成でも成果物を出す意義:二つ目は、成果物は人目に触れて初めてその価値が評価されるという考え方で、別言すると、どれほど良い成果物であっても、人目に触れなければ価値がないということです。ですので、弊社ではメンバーがアウトプットをする時間を他社様よりも頻繁に設けています。アウトプットが頻繁に求められるため、メンバーは素晴らしい勢いでインプットを行うのです。 さて、最後の段階である適切な手法と成果物についてですが、次週のブログにてお話しさせていただきたいと思います。...
No.1 私たちが作りたいカルチャーについて
自己紹介 初めまして。株式会社 微分 COO の大川です。今回が仁政ブログの初投稿になります。 会社について 弊社は創業からまだ 1 年も経ていない小さなスタートアップです。そのため、会社として成熟していない部分を挙げればきりがありません。むしろ増大するエントロピーを感じる日々でございます。それでも、いずれ会社が大きくなり、メンバー一人ひとりの天分が開花することを確信し、鳥瞰図をもった経営を続けて参りました。実際、歩幅こそ狭いですが、地に足の着いた経営を行うことで、少しづつではございますがメンバーも増えてきました。創業を開始してから半年ほどで事務所を移転することができたことは、非常に大きな喜びの一つとなりました(我々は古き良き時代の一軒家を好んでおり、来訪された方には和室で OMOTENASHI いたします。今後、微分が成長し、本社に続く記念すべき支社ができた際には、大きな茅葺屋根の家で自然に囲まれながら働くことができればと考えております)。 さて、いずれ開花するであろう微分が今のうちから大切にすべきことは 1 つです。それは、圧倒的なカルチャーを成熟させ、社内外問わず浸透させること。今回の投稿では微分のカルチャーについてお話しさせていただきます。柱は 4 つです。 1 つ目 「全員が研究開発を行うこと」 1 つ目は、多々の会社のように特定で R&D(研究開発)部をもたず、メンバー全員が研究開発部に属すると考えるカルチャーです。弊社の一つの特徴として、「失敗の費用」を事業計画に含めていることが挙げられます。弊社は予算に余裕があるわけではありませんが、たとえ自転車操業に陥ったとしても、この「失敗の費用」は今後も変わることなく弊社の事業計画には含め続けたいと考えています。微分がメンバーの失敗を大切にしている理由は非常にシンプルです。それは、たとえメンバーが幾度となく失敗したとしても、1 回の成功で過去の失敗は全てペイができると考えているからです。そして、体験的に失敗を続ける習慣を持ち知識を積分させていくことこそが、個人にとっても微分にとっても中長期的な成功に導く最も効率的な策だと考えています。 一般的に知識とは、命題可能な陳述記憶のうち、言語で表現できる意味記憶に属します。知識を身に付けるということが非常に大切なことに論を俟ちません。その一方で、テクノロジーの発展により、知識の価値は相対的に下がってきたことも事実です。背景には、知識が外注できるようになったことが指摘されております。他方で、ピアノを弾くことや、祖父母から聞く戦争の経験談などは頭のみではなく、肌や身体で記憶しようとします。これを「手続き記憶」といいます。そしてこの、「手続き記憶」は意味記憶のように外注することができません。我々は失敗という経験は「手続き記憶」に属すると捉えており、どのような意味記憶よりも価値があるものだと捉えています。身を以て失敗を経験することで、メンバーはより具体的な回避策や内省を検討することになると思われます。したがって、我々微分は、全てのメンバーに失敗を推奨しています。これが1つ目のカルチャーです。 2 つ目 「知行合一」 そこで重要になってくるのが、微分の2つ目のカルチャーに繋がります。2 つ目のカルチャーは「知行合一」です。知行合一とは、王陽明が唱えた陽明学の学説であり、真の知識とは実践によって裏付けられていなければならないという考えです。経営陣自身も含めすべてのメンバーには決断を1秒で行うことを促しています。そして、迅速な意思決定の足枷となりうる要素は、気づき次第に撤廃してきました。 例えば、メンバーが会社の経費を使って購買をする際、承認は不要としています。それは、デスク回りのペンの購入からパソコンのモニター、更には PC の購入と言った高価なアイテムまで、メンバーは承認不要で自由に即購入することができます。メンバーは勤務中であっても好きな時間に昼寝をすることもできますし、ピアノを弾きに出かけるメンバーもいます。日本の多々の会社は様々な形でルールを好みます。厳格なルールを作ってパノプティコンのように従業員を監視しなければ、彼らのパフォーマンスが発揮されないと考えるからではないでしょうか。性悪説に立って日本社会に根深く残る人事制度の一つのように思います。我々は全てのメンバー常に最良の判断ができると信じているため、そもそもルール自体を必要としません。このようなスムーズな意思決定ができるよう、経営陣はメンバーに対し、常々、微分の意思決定には2つの種類があることを伝えます。可逆的な意思決定と不可逆的な意思決定です。 可逆的な意思決定とは、意思決定をした後に誤りに気付けば、いつでもやり直せる程度の意思決定を指します。新しい技術の導入や金銭的な投資は概ねこの可逆的な意思決定に属します。他方、不可逆的な意思決定とは、一度決定してしまうと変えることが非常に大変、または不可能な意思決定を指します。不可逆的な意思決定としては、投資家に投資して株を譲ることや、会社のエグジットなどがそれに属します。つまり、会社に係るほとんどすべての意思決定は可逆的なものだということです。管見する限り、日本の多々のスタートアップは起業早期ではメンバーに裁量を与えますが、会社が大きくなるにつれて、可逆的な意思決定さえも不可逆的な意思決定だとすり替え、会社全体として守りに入り、結果として、メンバーの意思決定を鈍らせてしまうケースがあります。我々は全てのメンバーが 1 秒で意思決定ができるよう、不可逆的な意思決定は予め截然と分けて説明し、ほとんど全ての意思決定が可逆的なものであること強調します。それにより全メンバーの知行合一を可能としているのです。誤った判断をした際には、またやり直したら良いだけの話であって、我々に必要なことは、知行合一的思考の涵養と実現です。 3 つ目のカルチャー 学歴不問 微分 3 つ目のカルチャーは優秀な人材を確保する目的で学歴不問論を唱えていることです。人生 100 年といわれる時代の中で、学歴は初めの 1/5 の結果にしか過ぎず、そこでフィルターをかけてしまうことは、あまりにも多くの可能性を潰すことにってしまいます。そもそも、人間の学歴は往々にして社会文化資本(子どもが育った家庭環境)で決定されますし、世間で一流大学と評価される大学を算数がわからないまま卒業する人たちも跋扈する今日、学歴でフィルターをかけてしまうことは、全くもって非合理であると考えています。我々は世の中を微分したいと考えており、あらゆる角度から多角的に世の中を微分するためには、様々な人材に微分と関わっていただく必要があるのです。微分には多様な価値観が注がれるべきですし、様々な視点を取り入れることで真にインクルーシブな社会の実現に寄与できるように思います。 我々は、人生 1/5 の結果よりも、常に学び続けられるか、すぐに行動に移せるか、周りの人たちを大切にし、どのような人からも学びを得ようとする姿勢はあるのか、歴史に学ぶ柔軟性を持っているのか。そうした要素を総合的に評価し、素晴らしい人材の発掘に繋げていきたいと考えております。多様な視点を取り入れる場合、日本人オンリーのドメスティックな職場環境では、多面的な視点の流入を期待することは極めて困難であり、砂上の楼閣であるといえます。これこそ、我々が積極的に世界中の国々から新しいメンバーを歓迎している大きな理由の一つです。様々な国籍の人たちを招き入れる目的で、我々は創業してすぐに、社内の公用言語を英語に切り替えました。各ミーティングは全て動画での議事録を取っているため、日本人同士の意思疎通も原則英語で行っております。日本人にとっては短期的には生産性が落ちたとしても、我々は常に中長期の成功を優先しています。このように、多様な価値観の集合体として微分という会社を存続させたいと考えております。そのように考えた末、我々は学歴不問という立場をとることにしました。 4 つ目のカルチャー 全員が本気で世の中を微分しようとすること 微分 4 つ目のカルチャーは、全てのメンバーが世の中を強く微分したいと思っていることにあります。我々は微分を「世の中の不合理に対し、服従ではなく、一つ一つ問題を解決していくこと」と定義しています。そして一人一人が世の中の蔓延る問題に対し当事者意識で解決策を持てる社会の実現に邁進したいと考えております。例えば議論の場で、一見多くの支持を得ているように見える意見に対し、たとえ自分が反対の意見を持っていたとしても、孤立することを恐れて、自分を少数派として認識した人は次第に発言を控えるようになる現象を「沈黙の螺旋」と言います。沈黙の螺旋は、本当は少数派で虚勢かもしれない架空の大きな声が実際の大勢派に成り上がってしまうことに危険性をみます。「本音はこう思うけど、他人からこう思われるのは嫌だから、自分の意見を表明しないでおこう」、このように自分の意見ではない意見に同意せざるをえない社会を我々は微分したいと考えています。本音ではない意見が集まってできた虚像の意見を正しいものと謬見し、人々が無意識に従ってしまう状態を「多元的無知」と言います。これにより、社会の分断は著しく進み、あげく、頽落をみました。自分の頭で考え、たとえそれが少数派の意見であっても悩むことなく尊重される社会を微分は築きたいと考えています。メンバー一人一人がこうした社会の実現に向けて真摯に取り組んでいることを 4 つ目のカルチャーとして挙げさせていただきました。 最後に 我々は、強みである画像認識とインターネットの技術を用いて、世の中を微分したいと考えております。前途多難ではございますが、右上に傾く微分であれるよう、盲信に盲進を続けます。今はまだ偏微分しかできない微分ですが、いずれ全微分できるような会社となりますよう、これからもどうぞ微分をよろしくお願いいたします。...